株式会社オフィスミツヒロ株式会社オフィスミツヒロ

お知らせ

2010年11月2日

相続手続きの実務 (1)

紅葉 秋も深まり紅葉が美しい季節となりました。


最近、相続手続きを行っていて、疑問に感じることがあります。


遺産分割をする際、相続人に成年後見制度や未成年後見制度を採用した人がいる場合、裁判所が必ず法定相続分または遺留分の取得をするように指示をするため、指示に従って遺産分割するしかないことです。



 成年後見制度、未成年後見制度とは、認知症・知的障害・精神障害や
未成年者など自分の意志表示が出来ない人、判断能力が不充分な人を保
護し支援する制度で、家庭裁判所により選ばれた後見人などが、本人の
利益を考えながら本人を代理して契約などの法律行為を行います。相続
財産の分割の話し合いをする場合にも後見人が参加します。


 
 先に述べたとおり、裁判所の指示通り法定相続分で財産を分割すると
配偶者が財産の1/2を相続することになり、次の相続(二次相続)を
含めた相続対策(相続財産の評価額の引き下げや相続税節税)の検討が
出来ません。そのため一次相続、二次相続トータルでの相続税が大きく
違ってきます。場合によっては、二次相続における納税資金の確保が困
難になるケースも発生します。


 
 裁判所の立場としては、法律で法定相続分の割合が決まっているので
後から問題を起こされたくないのでしょうが、相続人の将来の生活設計
に合わせた遺産分割が出来ないことは、相続人にとって不利益となるた
め疑問を感じずにはいられません。


 
 これらの問題を回避するためには、公正証書遺言できっちり意思表示
をして財産を分けておく必要があります。

                  
               税理士 光 廣  昌 史